Natural Wax Series

 Noupotentia Japanでは、カルナウバワックスを低極性カルナウバワックス(TS-1)高極性カルナウバワックス(HP)に分画しており、さらにそれらを活用した派生品も開発・製造しています。

 TS-1はカルナウバワックスの低極性成分で、オイルを強力に固めることができます。SFCCS-20は、TS-1と別のワックスをブレンドした製品(SFC: +ヒマワリワックス、CS-20: +合成ワックス)で、TS-1よりもさらに強力にオイルを固め、質感もなめらかになります。

  HPはカルナウバワックスの高極性成分で、TS-1を製造する際に生まれる廃棄物をアップサイクルした製品です。顔料の分散性を向上させたり、耐水性を改善させたりする効果をもちます。IPG-GELはIPGを用いたカルナウバ高極性成分の塗膜剤で、O/W乳化物の水相に添加することができ、さらっとした自然な塗膜を作ります。

CARNAUBA WAX TS-1

 CARNAUBA WAX TS-1はカルナウバワックスの低極性成分を分画したワックスです。精製度の低いカルナウバワックスと比べ、リップスティックの作製で汎用される中~高極性オイルを効率よく固めることができます。硬度の比較試験において、低精製カルナウバワックスでは硬度が足りずスティックが成形できないオイルでも、TS-1を使えばスティックを成形できるというケースも見られました。そのため、これまで実現不可能だった新しい化粧品の創出に役立つ可能性があります。

Basic Information

製品名: CARNAUBA WAX TS-1
表示名称: カルナウバロウ
INCI名称: Copernicia Cerifera (Carnauba) Wax
融点: 80.0-84.0℃
外原規対応: 不可  数量: 10 kg
自然指数/自然由来指数 (ISO16128): 1.00 / 1.00

 

Formulation Sample

NATURAL SYNERGY WAX SFC

 NATURAL SYNERGY WAX SFCは「低極性カルナウバワックス(TS-1)」と「精製ヒマワリワックス」をブレンドした100%植物由来のワックスです。この2つの植物ワックスが組み合わさることで相乗的な効果が起こり、とりわけリップスティックなどの油脂固形処方で汎用される中~高極性オイルに対し、TS-1よりもさらに強力にオイルを固めることができます。加えて、SFCはよりなめらかな感触を作ることもできるため、SFCを使うことで優れた質感と十分な強度を兼ね備えた天然由来化粧品を作製できるようになります。

 * 原料の植物はいずれもNon-GMOです。

Basic Information

製品名: NATURAL SYNERGY WAX SFC
表示名称:ヒマワリ種子ロウ、カルナウバロウ
INCI名称: Helianthus Annuus (Sunflower) Seed Wax (and) Copernicia Cerifera (Carnauba) Wax
融点: 74.0-83.0℃
外原規対応: 不可  数量: 10 kg
自然指数/自然由来指数 (ISO16128): 1.00 / 1.00

Formulation Sample

Additional Data

 温度安定性もまたワックスの重要な評価指標です。特に、合成のワックスを使わず天然のワックスとオイルだけでリップスティックを作ろうとすると、熱安定性に乏しく高温で発汗を引き起こす傾向があります。

 10% NATURAL SYNERGY WAX SFCを配合したVelvety Texture Lipstick (Formulation No. NNLIP007)を作製しました。オイルや顔料含め、配合されているすべての原料が自然由来です。できたリップスティックを50℃で24時間静置したところ、その外観は変わらず、発汗も見られませんでした。

CARNAUBA WAX HP

 CARNAUBA WAX HPはカルナウバワックスの高極性成分からなるワックスです。一般的なカルナウバワックスとは異なり強力な固化力はもっていません。一方で、乳化の安定化に寄与し、優れた顔料分散剤としてもはたらきます。このユニークな分散性により、メイクアップ化粧品やサンケア製品の塗膜の均一性を上げ、耐水性も付与します。そのため、サンケア製品のPA、SPFの改善にも効果が期待されます。

Basic Information

製品名: CARNAUBA WAX HP
表示名称: カルナウバロウ
INCI名称: Copernicia Cerifera (Carnauba) Wax
融点: 81.0-85.0℃
外原規対応: 不可  数量: 10 kg
自然指数/自然由来指数 (ISO16128): 1.00 / 1.00

Formulation Sample

CARNAUBA WAX IPG-GEL

 CARNAUBA WAX IPG-GELはカルナウバワックスの高極性成分とイソペンチルジオール(イソプロピレングリコール、IPG)で構成されるO/W乳化物向け塗膜形成剤です。含有する高極性カルナウバワックスは低極性カルナウバワックス(TS-1)製造時に廃棄される成分を有効利用(アップサイクル)しています。高極性のワックス成分の周りをIPGが覆っており、リキッドファンデーションなどのO/W乳化物の水相に添加できます。形成される塗膜はべたつきやツッパリ感がなく、さらりとした自然な感触です。加えて、留まりがよく均一に肌に密着し、また耐水性も改善します。

Basic Information

製品名: CARNAUBA WAX IPG-GEL
表示名称:イソペンチルジオール、カルナウバロウ
INCI名称: Isopentyldiol (and) Copernicia Cerifera (Carnauba) Wax
外原規対応: 不可
自然指数/自然由来指数 (ISO16128): 0.06 / 0.06

Formulation Sample

 まず、Noupotentia Japanでは脱樹脂キャンデリラワックスとしてDRZの製造を行っています。DRZは脱樹脂により固化力を強化したワックスで、未精製のキャンデリラワックスよりもより強固にオイルを固めることができます。DRZは炭化水素とエステルの2成分から構成され、それらを分画し、それぞれ製品として販売もしています(HC31、ESF)。また、分画した成分をHYBRID WAXの一部としても使っており(HCS-20、ES-20)、より使いやすい形でお客様に製品をご提供しています。

CANDELILLA WAX DRZ

 CANDELILLA WAX DRZは油系化粧品の固化に最適化された脱樹脂キャンデリラワックスです。樹脂を中心としたキャンデリラワックスに含まれる高極性成分を極限まで取り除いているため、一般にリップスティックに使われる中~高極性オイルを効率的に固めます。

 加えて、一般的なキャンデリラワックスに混入している発がん性物質「多環芳香族炭化水素(PAHs)」も減らされており、4種のPAHs*の合計が10.0 ppb以下で、これはEUの食品規制((EC) No 835/2011)を満たします。さらに、フレグランスアレルゲンの一種である「ベンジルアルコール」も取り除かれています。

* Benzo[a]pyrene, Benzo[a]anthracene, Benzo[b]fluoranthene, Chrysene

Basic Information

製品名: CANDELILLA WAX DRZ
表示名称: キャンデリラロウ
INCI名称: Euphorbia Cerifera (Candelilla) Wax
融点: 70.0-75.0℃
数量: 10 kg
自然指数/自然由来指数 (ISO16128): 1.00 / 1.00

Formulation Sample

CANDELILLA WAX ESF

 CANDELILLA WAX ESFはキャンデリラワックスのエステル分画物を製品化したワックスです。リップスティックなどのオイル固形化粧品に直鎖の炭化水素ワックスとESFを一緒に配合すると、微細で均一なワックス結晶構造が構築されます。その結果、十分な固化強度を維持しつつ、なめらかな質感をもった製品を作ることができます。この機能は従来マイクロクリスタリンワックスを用いて行われてきたことと類似しており、ESFはマイクロクリスタリンワックスの植物由来代替品として使うこともできます。

Basic Information

製品名: CANDELILLA WAX ESF
表示名称: キャンデリラロウエステルズ
INCI名称: Candelilla Wax Esters
融点: 75.0-85.0℃
外原規対応: 不可
数量: 10 kg
自然指数/自然由来指数 (ISO16128): 1.00 / 1.00

CANDELILLA WAX HYDROCARBONS HC31

 CANDELILLA WAX HYDROCARBONS HC31はキャンデリラワックスの炭化水素分画物で、主に炭素数31の直鎖炭化水素から構成されます。分子の長さがそれほど長くはないため、オイルを強固に固めるよりも、リッチな質感を出す感触改良剤や微細な粒子による塗膜形成剤として有効なはたらきをします。特に、「90% HC31、5% CARNAUBA WAX HP、5% ベヘニルアルコール」を組み合わせ、低極性オイル(スクワラン、イソドデカン、変性シリコーンなど)に加熱溶解すると、付着性の高い微細な粒子を形成します(右図)。 この組み合わせは塗膜形成剤としてリキッドファンデーションへの配合がおすすめです。

Basic Information

製品名: CANDELILLA WAX HYDROCARBONS HC31
表示名称: キャンデリラロウ炭化水素
INCI名称: Candelilla Wax Hydrocarbons
融点: 60.0-70.0℃
外原規対応: 可
数量: 10 kg
自然指数/自然由来指数 (ISO16128): 1.00 / 1.00

Additional Data

 「10% ワックス + 90%イソドデカン」の割合で3種類のワックスをイソドデカンに分散し、ブラシを用いて黒いタイルに塗布しました。

 (A) 合成炭化水素ワックス: 均一に分散することなく、タイルへの付着も悪い。

 (B) CANDELILLA WAX HYDROCARBONS HC31: 微細な結晶を形成し、タイルに付着する

 (C) 90% HC31、5% CARNAUBA WAX HP、5% ベヘニルアルコールの組み合わせ: 極めて微細な粒子を形成し、タイルに付着し塗膜が覆う。

COLOR GREASE

 COLOR GREASEはキャンデリラ樹脂を活用したカラーペースト(オイルと顔料のプレミックス)製品です。キャンデリラ樹脂はトリテルペン類からなり、低極性オイルに対して高い分散性を示し、さらに親水基による極性のため顔料との相性もよいです。

 一般的なカラーペーストと比較し、COLOR GREASEでは顔料がより分散されていると考えられ、これがCOLOR GREASEの高い発色性に寄与しています。加えて、COLOR GREASEを使用した処方は、水に触れても顔料がにじみにくい(ブリーディングしづらい)という特性ももちます。

Basic Information

製品名: COLOR GREASE
表示名称: キャンデリラロウエキス、スクワラン、  (顔料)
INCI名称: Euphorbia Cerifera (Candelilla) Wax Extract (and) Squalane (and) (Pigment)
数量: 5 kg
カラーバリエーション: 10種類

Formulation Sample

Detailed Data

 上のイメージ図は、COLOR GREASEと一般的なカラーペーストにおける顔料の様子を示しています。一般的なカラーペーストでは顔料どうしがしばしば凝集しながらオイルに分散しているのに対し、COLOR GREASEではまず樹脂がスクワランに分散し、その分散した樹脂に顔料がくっついています。そのため、樹脂に合わせて顔料もオイル中に均一に分散されていると考えられます。COLOR GREASEを配合した処方を唇に塗ると、樹脂と顔料からなる高極性複合体が唇表面に付着し、さらにその上を低極性層が覆います。そのため、顔料の水へのブリーディングが防がれると考えられます。

 リップスティックAはトリイソステアリン酸ポリグリセリル-2と顔料をプレミックスしたカラーグリースを使用した処方で、一方リップスティックBではCOLOR GREASEを使用しています。同じ量の顔料を使用しているにもかかわらず、BはAよりもより鮮やかな発色を示しています(左図)。また、紙に塗布した際には、Aではムラのある色や凝集のような塊が見られるのに対し、Bでは濃い均一な色が見られます(右図)。

 各リキッドルージュに水をたらし、様子を観察しました(上図)。A、Cではブリーディングが確認されましたが、COLOR GREASEを使用したBでは確認されませんでした。そのため、COLOR GREASEを使用することで、水や唾液への色にじみが防がれると期待されます。

 各カラーペーストをガラス瓶に入れ静置し、様子を観察しました(下図)。A、Cでは顔料の沈降が確認されましたが、COLOR GREASE (B)では確認されませんでした。そのため、COLOR GREASEは  生産現場で使用前に再度撹拌するといった手間  を省ける可能性があります。

Color Variation

 ここに記載の顔料に限らず、ご指定の顔料にてカスタマイズ品(数量: 5 kg)をご提供いたしますので、お気軽にご相談ください。

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